ローカルデザイナーの強みと住民との対話。

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昨日はまつしろ現代美術フェスティバルの宣伝&挨拶回りに
信州大学の木村先生とマンズデザインチームで、
チラシ配りと街中にポスターを貼りをせていただきに行ってきました。

長野こともろくに知らない僕が思うに、イベントを仕掛けるときにその街の住人を無視して
会場だけ借りてやるイベントはするべきではないと思っています。

その土地でやる理由があればあるほど、しっかりとその土地の住人のスタンスや考え方、風習などを理解し、可能な限り住人の理解・協力のもとイベントを企画運営するべきだと強く思います。

住人の目に前でやっているイベントを住人が知らないなんてことはあってはならないと思っていますし
トラブルの原因になりかねません。

そこでまずはひたすら挨拶回りをし、顔を知ってもらうこと。汗をかくこと。
これがすごく重要なことで、これは一番手を抜いてはいけない宣伝活動だと考えます。
相手の懷に入る以上相手を知るべきだと思ってます。
僕らデザイン事務所はいいデザイン、美しいデザインを作り、視覚的に人を喜ばせる仕事なのですが、いくらいいデザインをしても根本的な「地域と向き合う」デザインをしていないと上手くいくものも上手くいきません。住民の参加無くしていいイベントはありえません。

生意気な上から目線と思われるかもしれませんがお許しを。
今回の事例で言うと、今年で10回目だそうで、10年もやっていても
地域との連携や認知すらされていないという状況だとを去年知りました。
そこでまずするべきことは、実行委員の考えを180度変えるべく、プレゼンをしました。
なぜ、このデザインのポスターやチラシを作るのかを説明させていただきました。
そしてこのまつしろ現美が今後存続させるために3年の時間をかけて作りかえようというプランを考えました。(ほんとざっくりですが・・・)

1年目:地元住人の認知度あげる。(住民との対話)

2年目:地元住人も参加しやすい企画を増やす。早めの宣伝活動。

3年目:フェスでもたらされる経済活動をみせる(数値化)

とくに今回は現代アートという非常に難しいテーマですので「アートってなんぞや!」を地域住民に
問いかけても、難しく、「アートを使うとこんな楽しいし、観光客増えて街も潤うんだよ」という
作業を3年かけて知っていただきたくために僕らは汗をかく。
まつしろ住民に対して絞った戦略でも昨年より十分集客は確保できると思います。
まずは知って理解していただきそれから外への発信を強めていけばいいと思っています。
「アウトプット」よりまず「インプット」

これがマンズデザインが考える「宣伝」のひとつだと考えます。


これをするにはこちらも相当の根気がいる作業になるでしょう。
でもこれができるのがローカルデザイナーの強みであるし、するべきことだと確信しております。

予算にも限りがありますので、僕らも外へでて一緒にポスターを貼るという作業しました。
そしてポスターを店先にかなりの高密度貼らせていただくことにすごく意味があり、
ポスターを貼っているということでこのイベントにすでに参加している空気を作るという狙いが
あります。

ぼくらの予想をこえる反応をいただき街中にポスターを貼らせていただきました!
まつしろのポテンシャルの高さを感じました。
各商店や住民の方々本当にありがとうございます。
是非一緒にイベントを作っていってください。


とはいえ僕は仕事としてやっているし僕の提案で追加のお金をかけていただいている以上
数字で返すという義務を背負っていることを忘れちゃいけません。

このドキドキもこの仕事をしていて楽しいところです。

まず現場で汗をかき、そこで感じたコトをデザインにフィードバックしていいデザインを
作っていきたいと常に思っていますし、スタッフにも感じてほしい。
まだ僕自身が未熟であり勉強不足なのでまだまだ一緒に汗をかく日々が続きます。

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